これまでにご質問頂いたこと

 

 

※これまでに

ご質問いただいたことを

インタビュー形式で

書かせていただきます。

 

 

●僧侶になろうと

思われたのは何故ですか?

 

 

私自身、

まず最初に、

坊さんを目指そうと思ったのは、

日本の寂しい変化を

憂う気持ちが1番にありました。

 

携帯電話の普及率が

0%から99%へと

激変していく中で、

日本人の生き方や

日本人の日々の暮らし方は

大きく変わりました。

 

その、変化していく中で、

新陳代謝のように、

日本人がこれまで

大切にしてきた生き方が

過去のものとなっていき、

それに代わる、

新しい生き方が

常識となっていきました。

 

その中で、お寺は、

何が変化したのでしょうか?

 

それら、

その変化に応えられない

お寺の疎さに

様々な感情を抱いておりました。

 

その結果、

「お寺はこんなもんじゃない」

という、悔しい気持ちが

私の心の根源的なものとなり、

これからの時代でも

通用していくような、

僧侶を目指していくことと

なりました。

 

 

●僧侶として

生きることを決めたのは、

何歳くらいのときですか?

 

 

坊さんになろうと思ったのは、

10代半ばくらいかもしれません。

 

そして、

副業や兼業ではなく、

僧侶だけのプロとして、

生きていこうと決めたのは

学生時代の21歳くらいの

ときだと思います。

 

 

●僧侶だけで、

生きていくことに

悩みは無かったのですか?

 

 

ありました。沢山ありました。

私は龍谷大学、仏教学科という

学部を出ていることから、

私の周りには「将来は僧侶志望」

というが人が、当たり前のように

いておりました。

 

 

しかし、

就職を控えた時期になると、

「僧侶」という職業としての

厳しさが、改めて

浮き彫りになります。

 

 

たとえば、

 

▪お布施は気持ち

 

これを裏返せば、

月給の不安定さを

意味しております。

 

初任給や福利厚生などの

 

さらに当時は、

架空年金や年金未払いなどの

年金問題が長い期間、

毎日のようにテレビで

取り上げられていました。

 

 

ですから、

単に労働条件というだけでなく、

年金の良し悪しが

人生の職種を選定する条件の

最優先候補くらいになっていました。

 

そして、

僧侶はもちろん、

国民年金でしたので、

職業を選定していく上では、

これまた、大きな

マイナス要素でありました。

 

 

それらの観点から

僧侶という職業を、

考えますと、

みな、わかります。

 

 

僧侶という職業は、見方によれば、

コンビニのアルバイト以下の

労働条件となる可能性が、

非常に高いということです。

 

さらには、

坊主丸儲けなんて、

現実的には、夢物語であることも

お寺で育ってきた手前、

厳しい現実も知っているわけです。

 

 

ですから、

僧侶という役割を請け負いたい

気持ちはあるものの、

労働条件や年金、

税のことも含めた、

人生の職業と考えた時には、

労働条件・労働環境が

あまりに不十分であるので、

社会人として1番大切な

「安定」を捨てる覚悟が必要でした。

 

 

それは、

今に振り返っても、

私にとって、苦しい時間であり、

大きな悩みでありました。

 

 

 

 

 

 

●僧侶になって、

どのようにして

住職に至ったのですか?

 

 

そうですね、

一言では難しく、

もう1度、同じ時間を

繰り返せないような経緯と

言いますか、

もう2度と、

同じ時間を過ごしたく

ないほどの過酷さでもあり、

思い出すのに苦労します。

 

龍谷大学を卒業し、

本願寺で読経作法を学び、

その後、

広島県呉市のお寺で法務をさせて頂き、

大阪府大東市のお寺でも

法務をさせて頂きました。

 

 

それで、

東大阪の副住職が

半分以上の確率で決まっていた時に、

本願寺から連絡が入り、

蓮生寺との縁が出来、

現在に至ることとなりました。

 

 

今に振り返ってみましても、

どこかのタイミングで

もし、あと1年、

早いか遅いかに、

縁があったのならば、

私はここに

いておりませんし、

住職にはなっていないので、

不思議不可思議なご縁でございます。

 

 

 

 

●法務の面で、

苦労が多いことは

ございますか?

 

 

現代の法務に於いての

2大原則は

「個人情報の保護」と

「時間厳守」です。

 

探せば他の要素も

出てきますが、

今のところは

その2つとして考えます。

 

その上で、

この日本で家族を持ち、

人間らしい

社会的生活を営みながら、

365日24時間、

この2つを

守り続けることだけでも、

なかなかの覚悟が

必要になるかと思います。

 

が、それよりも

「足が痺れます」の方が

良いですか?(笑)

足は痺れますよ。

 

とても痺れます。

 

 

大阪時代が

1番ハードでしたが、

1年を通して

そこそこに朝から晩の

法務で1日に8時間くらい

正座する時があり、

また、読経で声の方も4時間、

お話も4時間など、

とてもハードな

1日を過ごしていました。

 

するとさすがに、

「足がピンチ!」っていう時は、

何度もありました(笑)。

 

 

 

●門徒様は地域に

よって違うのですか?

 

 

そうですね。

 

今の私があるのは、

これまでに約2万件ほどの

お参りをさせて頂いた1件1件、

お一人お一人の方々が

とても温かく私を迎えてくれて、

お育て頂いたからこそであります。

 

地域性など、

特に変わりは感じません。

皆様、仏様を大切に、

また、ご自身を大切に

される方々であります。

 

 

 

●一般の方がお坊さんに

なることは簡単ですか?

 

 

一言で言えば、

私の感覚からすれば、

とても簡単です。

 

通信教育などで

頑張れば2年くらいで

坊さんになれ、

そこから1年くらいで

住職になれるので、

「資格を取る」というだけでは

簡単です。

 

 

ただし、

ここには落とし穴があって、

坊さんになれても、

そこから2年3年4年5年と、

続けることが難しい。

 

現代は特に難しくなりました。

理由は明確にあるものの、

書ききれないのですが、

簡単に申しますと、

顔や肩書だけでは

通じない時代になったことが

挙げられます。

 

ですので、

「私は僧侶」というだけでは、

より通じない社会に

なってきたように思います。